AED使用率は本当に約4%?
「AEDの使用率は今でも約4%しかない」「だからもっとAEDの設置普及に努めないと」という表現がAEDに関するPRでよく用いられますが、この数値の本当の意味をしっかり読み解いていますか?この数値は決してAEDの「使用率」ではありません。
単にAEDを増やしたり、市民にAEDを知ってもらうだけではこの数値の改善はおそらく実現できないはず。AEDの販売者や救命法指導者など、AEDに携わるすべての方がAEDに関する状況や課題などを適切に把握することが望まれます。
女性へのAED使用を考える
近年SNSなどで「女性にAEDを使ってセクハラだと訴えられたら怖い」といった話題が上がり、救急蘇生法の指針2020にも女性へのAED使用に関する記載がなされるようになりましたが、AEDの使用条件などをきちんと学べば、このジャンルの話題がいかに「木を見て森を見ず」であるかがわかります。
たしかに「配慮」が必要な場面はありますが、それにこだわりすぎて救命率を低下されては本末転倒。正しい知識や根拠のうえ、現場での活動や救命法の指導にあたることが必要です。
AEDの限界を把握しないと…
意識声明で会話もできる傷病者にAEDが電気ショックを行った事故は、日本国内でも起きています。これはAEDの異常ではなく、使用者が誤った認識でAEDを使ったことにより起きた事故です。
AEDでは呼吸や脈の有無も判断できない、すなわち心停止の判断はAEDではできないものですが、市民向けの蘇生教育を誤った方法で簡略化したが故に、「人が倒れたらとにかくAEDを使う」が広まり、先述のような事例が起きています。AEDの本来の使用法と限界を正しく認識しておきたいものです。
救命率を上げるために!
このセミナーは、より多くの人が正しい知識を持ち、正しい行動をする方を増やすことで、社会の救命率を上げるために開催するものであり、心肺蘇生実施のハードルを上げる意図はありません。
これまで多くの教育の場で、救命率向上を図るために手順の簡略化などが図られてきましたが、それが結果として市民救助者の行動を阻害し、救命率低下を招いていることは否めません。
根拠を知り、核にあるものを認識してこそ、枝葉を削ぎ落したシンプルな行動が実現できます。
これでいいのかAED! -AED活用の課題とこれから-
開催日
2024年2月24日(土)
時 間
10時00分から12時00分まで
場 所
名古屋市公会堂 第6集会室 【地図】
〒466-0064 名古屋市昭和区鶴舞一丁目1番3号
JR中央線「鶴舞駅」から徒歩2分/地下鉄鶴舞線「鶴舞駅」4番出口から徒歩2分
受講料
1,000円(当日会場でお支払いください)
対象者
1.心肺蘇生法の指導にあたる方(職種や資格、所属団体などは問いません)
2.AEDの販売等に従事する方
3.心肺蘇生やAEDに興味がある方
主 催
ブレイブハートNAGOYA
予定内容
1.AEDに関する誤解
2.日本におけるAED普及の歴史
3.心停止とAED
4.AEDを有効活用するために
※指導技法のトレーニングや、心肺蘇生法の実技トレーニングはありません。
修了証など
ブレイブハートNAGOYAオリジナル講習のため、資格証や修了証の発行はありません。
キャンセル等について
荒天等による講習中止の場合の交通費や宿泊費などの弁済は致しかねます。
特に今後、感染症の拡大等による社会情勢の変化により講習が中止になる可能性がありますことは予めご了承ください。
感染対策の実施について
新型コロナウィルス感染症拡大に伴い、ブレイブハートNAGOYA独自の規定及び会場施設の規定に基づき、皆さまに感染対策の実施をお願いしております。詳細はお申し込み受理後の受講案内メール等に記載しますので、内容をご確認ください。
必要事項を実施・履行頂けない場合、受講をお断りしますのでご了承ください。
参考:同日午後開催の講習(是非あわせてご受講ください)
13:00~20:00『BLSプロバイダーコース 病院外シナリオver』
看護師や救急救命士、ライフセーバーなど、救命のプロとしての質の高いBLS(Basic Life Support=心肺蘇生や窒息の解除等)を習得することができる、日本唯一の医療者レベルの心肺蘇生法国際資格を取得できる、アメリカ心臓協会AHAの公式コースです。
この日はプレホスピタル域で活動する職業人向けの展開でお送りするバージョン。同コースを提供する講習提供者は数多くありますが、ブレイブハートNAGOYAは行動上の根拠となる蘇生学上の「なぜ?」や、現場実務への転移を見越した実践的トレーニングをお届けします。
(詳細は こちら から)