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"お作法"ではない
"現場で動ける"傷病者対応トレーニング
ブレイブハートNAGOYA 概要

ブレイブハートNAGOYAは、愛知県名古屋市を中心とし、傷病者対応トレーニング・危機管理トレーニングなどを2019年5月から展開している団体です。
その対象は、一般市民から医療従事者まで実に幅広く、その専門性を活かし、法執行機関職員や民間セキュリティサービス従事者といった特殊な職域向けのトレーニングも開催。
救命法トレーニングを医療的観点のみならず、ERM(Enterprise Risk Management)やESRM(Enterprise Security Risk Management)などのフレームワークワークを活用して組織リスクマネジメント視点からも考え、組織や地域社会の救急対応システム構築を支援します。
心肺蘇生法の国際標準化の旗振り役で知られる、アメリカ心臓協会AHA(American Heart Association)の緊急心血管治療(AHA-ECC)教育プログラムの提供者としても活動しており、AHA公認インストラクターの養成も活動の一環です。

私たちの存在意義
質の高い救命医療・危機管理トレーニング等を提供することで
地域社会の救命率向上と損失防止を図り、幸福増進に寄与する
年間数万人発生しているといわれる心臓突然死をはじめ、私たちの健康を脅かす傷病による脅威をコントロールして平穏な生活を維持するためには、その対応にあたる医療従事者や、業務上人の生命・身体を預かる立場の職業人のスキル向上が欠かせません。
また、労働災害や交通事故、テロその他第三者による加害等による傷病者の発生は、要因となる脅威事態をコントロールするためのマネジメントが重要となります。
ブレイブハートNAGOYAはメンバーの特性を活かし、救急医療分野のほか、組織リスクマネジメント、事態対処等に関する質の高いトレーニングを提供することで、地域社会の救命率向上と損失防止を図り、そこに住み・働き・生活する人々の幸福増進に寄与するために活動します。
Slogan:“お作法”ではない“現場で動ける”傷病者対応トレーニング
市民か医療従事者かを問わず、心肺蘇生法などの救命法トレーニングの多くはマネキンに対して所定の実技を訓練して終了する形のものがほとんどですが、これは野球でいえばキャッチボールや素振りの練習をしたにすぎず、試合の練習にはなっていません。
保育所や学校などにおいて現に発生している数多くの傷病者対応不適正事例をみると、「定期的に救命講習を受講していた」と謳っているものが少なくありません。
救命講習を受講していたのに、なぜ現場でそれが活かされないのか?
それはその救命講習=蘇生教育が、お作法的な練習に徹しているほか、救命現場で実際に起き得る事象(パニックやコミュニケーション不良など)を何ら考慮していない、実効性のない教育にしかなっていないことが大きな理由であると考えます。

AHAが2018年に発表した教育提言では、蘇生教育が様々な場所で提供されているのにもかかわらず生存率は思うように向上していないと述べ、その理由は蘇生教育の質の悪さであるとし、指導者の資質の向上を重要視しています。
そのような実情を踏まえ、ブレイブハートNAGOYAでは、実効性(現場で実際に役立つスキルのトレーニング)と現場転移(トレーニングしたことが現場実務で実際に活かせる)を強く意識した研修設計と運用、支援を行っています。


ブレイブハートNAGOYAのミッション
❶ 職業訓練としての救命法トレーニングの定着
我が国における救命法トレーニングは現状、「医療従事者」と「市民」に大別されています。
傷病者に対するケアを提供すべく働く医療従事者に対し質の高いトレーニングを提供することは、もちろんブレイブハートNAGOYAの使命のひとつです。
他方で、救急蘇生法の指針を読み解くと「市民」さらに多くの立場が定められ、それぞれ救命法の提供水準も異なるのですが、残念なことに我が国では善意で救助を行う人も、業務として救助を行う人(教職員や保育士、介護職、警備員、スポーツ指導者、交通機関関係者etc…)も同じ「市民」として捉えられ、「職業訓練」としての救命法トレーニングが確立されていない状況が続いています。

市民に大別される立場であっても、業務として救護を行う者は「バイスタンダー」(現場にたまたま居合わせ、善意で救助を行う人)ではなく、「レスポンダー」(職責に基づき救助に自らあたる者)と明確に区別し、その責務を果たすために必要な水準のスキルを習得できる職業訓練としての救命法トレーニングが本来必要なのですが、我が国では区別が曖昧であるとともに、教育プログラム自体が確立されておらず、レスポンダー職種が一般市民レベルの救命法スキルしか持ち合わせていないことが少なくありません。
その結果生じているのが、保育所や学校などでの心停止見逃しや窒息見逃し、その傷病者死亡に伴う裁判などであると考えます。
レスポンダーは「できなかったこと・やらなかったこと・できるようにしておかなかったこと」の責任が問われる立場。命を救う観点のみならず、組織を守るという観点も必要です。
必要なのは、救護の手技だけではなく、救助者どうしの連携、情報収集、記録、現場の管理、他の利用者等の保護、導線確保、救急隊等との適切なコミュニケーションなど多岐に渡ります。
ブレイブハートNAGOYAは、アメリカ心臓協会AHAの教育プログラムを活用するほか、さまざまな分野の知見を統合し、職業人のための質の高い救命法トレーニングを日々研究しています。
非医療職種のAHAコース受講を積極的に受け入れています
東海地方におけるAHAコースの提供者は病院系の団体がほとんどであり、非医療従事はなかなか受講しづらい面もあります。
ブレイブハートNAGOYAでは、BLSプロバイダーコースをIFP(病院内版)とPHP(病院外版)で分けて開催しているとともに、受講前の学習補助資料も提供するなどして、非医療従事者のAHAコース受講を積極的に受け入れており、これまで、養護教諭、保育士、警備員、自衛官、海上保安官、消防団員などがコースを受講くださっています。
※もともと非医療従事者向けに開発されているハートセイバーコースも開催しています。


❷ さまざまな分野の知見を統合した新たな教育プログラムの提供
ブレイブハートNAGOYAは、メンバー及びパートナーが持つ多彩な知見を統合し、高品質かつこれまでにない新たな教育プログラムの開発・提供に努めています。
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救命医療(特にアメリカ心臓協会AHAのECC教育プログラムの活用)
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イベント救護など資源が限られた領域での傷病者対応
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消防防災
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航空(航空救助、CRM:Crew Resource Management、事故分析など)
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組織リスクマネジメント(ERM:Enterprise Risk ManagementやESRM:Enterprise Security Risk Management)や事業継続マネジメント(BCM:Business Continuity Management)
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軍事・法執行
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民間セキュリティ(Corporate Security、Executive Protection、Close Protectionなど)
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交通教育
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その他安全対策分野
それぞれの分野が長年培ったノウハウを持ち寄って有益な知見やスキルを統合し、他の分野でも活かせる手法として再編成することで、単一分野では得られない品質向上を図ることができます。
❸ 質の高い指導者の養成
傷病者へのケアなどを提供するプロバイダーのスキルを高めることは、地域社会の救命率向上のためにたいへん重要なことですが、それをさらに促進するためには、各分野に高いスキルを持った指導者を養成することが求められます。
アメリカ心臓協会AHAは、教育工学やインストラクショナルデザインの考え方を早くから取り入れて蘇生教育の改革を図ってきた歴史があります。
ブレイブハートNAGOYAは、その提供者として教授システム学(成人教育手法やインストラクショナルデザインなど)を学び、AHAコースなどでの指導実践を通じて効率的かつ効果的な研修設計及び指導技法を身につけてきました。
我が国における各種教育は、「良いプレイヤーが良い指導者になれる」といった考え方がまだまだ強いとともに、KKD(勘・経験・度胸)に頼った研修設計や運営がなされることが多い(そもそも研修設計という考え方が無く、話術だけで何とかしようとする傾向が強い)ものです。
救命率向上のためには教育の品質向上と、それを成し得る指導者の養成が欠かせない。
ブレイブハートNAGOYAはここまでに蓄積した知見などを活かし、科学的根拠に基づく実効性ある高品質・高効率な教育を設計・実装・運用できる次世代の指導者の養成に努めます。
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