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  • 執筆者の写真ブレイブハートNAGOYA

0011 正しい手洗いを習ったことはありますか

新型コロナウイルスに係る感染症の拡大により、感染防止策がクローズアップされるようになりました。 多くの方がマスクを着用して生活する光景を見かけますが、マスクひとつとっても、表裏、顔への密着、取り外し方、廃棄方法などを誤ると、感染防止にまるで意味がありません。街中で見かける方の大半が不適切なマスクの着用をしているものの、それで安心してしまっている「見せかけの安全」(Security Theater)になってしまっているのではないでしょうか。

リンク:メディコムジャパン「正しいマスクの着用方法」

手についた病原体が拡散していく

どれだけマスクなどの保護具を着用しても、感染防止に最大級の効果があるのが手洗い。

様々な場所に付着している病原体に最も触れるのは手指であり、病原体が付着した手で飲食や喫煙、顔に触る、目を掻く、コンタクトレンズの着脱をすることで、感染を引き起こしますし、マスクなどの保護具を外す手順や廃棄の手順が不適切であると、そこでも手指に病原体が付着することとなります。

手指に付着した病原体がどのように拡散されていくか。

「世界手指衛生の日」(5月5日)に公開された海外の動画では、手指についた病原体等がいかにして広がっていくかをインクでわかりやすく示しています。

「Journée mondiale de l'hygiène des mains」

自分だけが手指衛生をしっかり実践したところで、他の人がそれに無頓着だと何の意味もない…ということもわかります。

ドアノブなどに触れるのが怖くなってしまいますね。


正しい手洗いを学ぶ機会はほとんど無い

手指衛生がいかに大切か。先ほどの動画でご理解いただけたのではないでしょうか。

しかし、皆さんは「手洗い」の方法を教わったことはありますか? 最後にそれを教わったのは…保育園・幼稚園が最後???

感染対策の基本でもあり、最大級の効果がある対策といわれる手洗いですが、その正しい方法を教わる機会は、そうそう無いものです。

医療従事者であっても、正しい手洗いができている人は数割…というデータもあるようです。

こちらはジュネーブ大学病院が公開している手指衛生に関する動画。

手洗いに必要な動作をダンスでわかりやすく示した、スタイリッシュな構成です。

「Ô les mains !」

日本でも有名ダンサーユニットが胸骨圧迫の動きをダンスで表現した動画がありましたが、いまこそ日本でもこのような手洗いダンスで普及啓発を図るときかもしれませんね。

わかりやすく、自らやりたくなるような方法。

おカタい説明だけではなかなか認知されないものです。

感染対策を事業所で学ぶ米国

米国では、労働安全衛生局(Occupational Safety and Health Administration:OSHA)の基準により、血液や血液が含まれている物質に触れる可能性があるすべての職種に対し、所定の内容を満たした研修を年1回行うよう義務付けています。

これに対応した講習が、アメリカ心臓協会AHAの「ハートセイバー血液媒介病原体コース」(Heartsaver Bloodborne Pathogens Course)です。


このコースでは、血液を介して感染する病原体とは何かを学ぶとともに、その対策を「PACT」というアクロニムに基づき、わかりやすく学びます。

まずは適切に自身の身体をProtect(防護)すること。

もし血液に触れてしまった場合は、すばやくAct(行動)して感染が成立する可能性を低減させる。

さらに、他者へ危険が及ばないよう正しい手順でClean(掃除)し、病原体が拡散するリスクを減らす。

また、不幸にも血液被曝した場合に、その後の検査や治療、労災認定を受けるために、正しくTell(報告)する。

これらの方法をハートセイバー血液媒介病原体コースで学ぶことができますが、その中には正しい手洗いの方法や、手袋やマスク、ゴーグル、キャップ、ガウンといった個人用保護具の正しい着脱・処分なども含まれています。


もともとは血液感染対策を主眼とした講習ではありますが、そこで学ぶ内容は、いま話題の新型コロナウイルスに係る感染対策にもつながる部分が多いもの。

正しい知識なくして、正しい行動は成し得ません。

このような教育が日本の事業所でも推進されると、感染防止に関する認識が変わっていくのかもしれません。

ハートセイバー血液媒介病原体コース(ブレイブハートNAGOYAウェブサイト)

ブレイブハートNAGOYAブログ「0008 米国発の労働安全衛生講習・ハートセイバー血液媒介病原体コース」

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