
歴史を知れば意義もわかる
2010年ごろから急速に広まった胸骨圧迫のみのCPR。その手法を取り入れた意義や目的等はいったい何だったのか。今現在のCPRの手順しか知らないと、その真意にはたどり着けませんし、コンセプトに反した指導等を行ってしまう事態に陥ります。
ガイドライン2000から現在に至るまでのCPRの手技の変遷を振り返ることで見えてくることがたくさんあり、救命法指導者であればこれらの歴史を把握しておくべきです。この講習の冒頭では蘇生教育のこの25年の歴史を振り返っていきます。

人工呼吸の重要性を再認識する
子どもの心停止の大半は呼吸のトラブルによる低酸素から起きるものであり、人工呼吸が欠かせないということは、過去から現在に至るまで蘇生ガイドラインや救急蘇生法の指針で謳われ続けてきました。
しかし胸骨圧迫のみのCPR実施が増えた結果、子どもの死亡リスクが高まり、日本国内において年間約10人の子どもが本来救えたはずの命を失っていた可能性を示唆する報告が先日発表されました。
適用範囲等を適切に把握せず「人工呼吸はいらない!」ばかり言い続けた結果がこれでしょう。

人工呼吸省略の結果、裁判に?!
耳鼻 科クリニック内で発生した子どもの心停止に対し、看護師らが人工呼吸を省略したCPRしか行わなかった結果傷病者が死亡したとして6000万円を超える賠償命令に至った裁判例が日本国内に存在することはご存知でしょうか。看護師をはじめとした医療従事者は蘇生ガイドラインと救急蘇生法の指針においてバッグマスクを基本とした人工呼吸の提供が必須とされており、それを実行できる体制づくりの不備等の責任が問われたこの事例。人工呼吸に関する認識の誤りが引き起こしたものといえるでしょう。

指導者の責任を考える
年間約10人の救えたはずの子どもたちの命。これを生み出した大きな要因は「救命法指導者の質」にあるといえるでしょう。適正な救命講習を受講して人工呼吸の重要性を理解した保育士や教職員等からよく聞く言葉が「過去の救命講習で人工呼吸はいらないと言われた」というもの。その指導者は良かれと思ってその説明をしたのかもしれませんが、結果として大きな不利益を生み出している実情…。人の生命や人生を左右する影響力を持つ救命法指導者の活動。その重責を再認識しなければなりません。

ワンコインセミナーシリーズ
人工呼吸は不要という安易な言葉が救命率を下げる!
開催日時
2025年9月21日(日)
17時30分から19時30分まで
場所
アソルティ新栄 【地図】
〒460-0007 名古屋市中区新栄2丁目1番4号
名古屋市営地下鉄東山線「新栄駅」から徒歩3分
受講料
500円(当日会場でお支払いください)
対象者
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救命法の指導的立場にある方(資格・所属不問)
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保育園看護師、養護教諭、教職員、保育士など子どもの安全を守る職種
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スポーツ指導者
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プール監視員など水辺の安全に関わる方
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その他当該分野に興味がある方
主催
ブレイブハートNAGOYA
予定内容
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なぜ胸骨圧迫のみのCPRが広がった?蘇生教育25年の歴史をふまえて
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人はどのように生き・どのように死ぬ?心停止の機序と最適解
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最新の論文をふまえて考える 人工呼吸省略による被害者たち
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人工呼吸を省略したCPRの結果、裁判に?! 救助者の立場と求められる救護
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この状況をどうリカバリーするのか?指導者の資質と蘇生教育のこれから
※人工呼吸(ポケットマスクやバッグマスク)の実技トレーニングはありません。
修了証など
ブレイブハートNAGOYAオリジナル講習のため、資格証や修了証の発行はありません。
キャンセル等について
受講をキャンセルする場合は、必ずご連絡ください。
なお、最小催行人数に達しなかった場合や荒天等により講習を中止する場合がありますが、その際の交通費や宿泊費の弁済は対応致しかねます。
感染対策の実施について
ブレイブハートNAGOYA独自の規定及び会場施設の規定に基づき、皆さまにも感染対策の実施をお願いしております。詳細はお申し込み受理後の受講案内メール等に記載しますので、内容をご確認ください。
必要事項を実施・履行頂けない場合、受講をお断りしますのでご了承ください。
申込等に使用するメールアドレスについて
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申し込みから受講までに数回メールをお送りしますので、メール到着が都度確認できるアドレスをお使いください。講習によってはPDF形式の資料等をお送りする場合がありますので、PDFファイルが受信できるメールアドレス使用を必須とします。
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gmailなどはフィルターが強く、ブレイブハートNAGOYAからの案内メール類が迷惑メールフォルダに自動振り分けされているケースが散見されます。お申し込み後、3日を過ぎてもブレイブハートNAGOYAからのメールが届いていない場合は、一度迷惑メールフォルダなどをご確認ください。
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職場等の共用アドレスを使用すると、受講者様本人がメール到着に気づかず、案内を見落とす可能性が高いため、必ず個人で使用できるメールアドレスを使用してください。
