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0028 AHA-BLSプロバイダーコースは「高い」のか?

アメリカ心臓協会AHAの「BLSプロバイダー」は、一次救命処置:BLSに関して世界で最も知られた、医療従事者レベルBLS技術認定証です。

日本発祥の医療従事者向けBLS資格もありますが、国際医療機能認証などにおいても高い評価を得ることができるのが、世界で有効な資格であるAHAのBLSプロバイダーの強みであり、医療機関等によっては職員教育の一環としてこのコースを受講させるケースも少なくありません。


しかし、SNS等では「受講料が高い割に内容が薄い!」といった意見があがることもしばしば。BLSプロバイダーコースを受講する意義はどこまであるのでしょうか?

BLSプロバイダーコースの特徴


心停止は、数分の間の対応の適否によって生死が分かれる、最も迅速で的確な対応が求められるケースであることは一般市民でも認識していることであり、看護師など医療の専門職は相応の行動が求められます。


クリニックや保育園といったフィールドで普段勤務する看護師等であっても、蘇生ガイドライン上は「医療従事者」であることは同じ。クリニックで小児患者が心停止となった際に、そこで勤務する看護師らが適切な行動をとれなかったとして6000万円を超える賠償金支払いを命じた判例が日本国内でもあるように、専門職として相応のスキルが要求されています。


過去ブログ
看護師らが人工呼吸を省略したCPRしか行わなかったことで責任を問われたケース

看護師であれば心肺蘇生はしっかりできる…と一般の方は思っているものの、実のところ看護師が小児や乳児の一次救命処置(PBLS)をトレーニングする機会は数少なく、成人・小児・乳児すべての年齢に応じたBLSを体系立ててトレーニングできるのは、AHAのBLSプロバイダーコースくらいといえます。


BLSプロバイダーコースの受講料は高いのか?


AHAコースの受講料に定価はなく、経費等をかんがみて提供者が独自に定めることとなっています。15000円程度のところから2万円超のところまで受講料がばらばらなのは、このような事情によるものです。


では、SNS等で「AHAのBLSは高い!」と言われるのは、何と比較して「高い」という印象なのでしょうか。


我が国で心肺蘇生講習といえば、消防機関や日本赤十字社が開催する公募講習というイメージが強く、無料~2000円程度で受講できる講習と同じ心肺蘇生を扱うのに2万円近くかかる…というものなのかもしれませんが、消防の救命講習等は善意で救助を行う市民(バイスタンダー)を増やすための「普及啓発」としての存在であり、決して「職業訓練」として存在しているのではありません。


例えば、同じ「料理」を取り扱う講習であっても、趣味のお料理教室と、プロの調理師が受ける講習とでは、内容も品質も料金も異なります。(調べてみると、調理師を対象としたとある講習は、2万円近い受講料がかかるようです)


医療の専門職が受けるトレーニングとして、その内容や品質をかんがみれば、BLSプロバイダーコースの受講料は適正といえる範ちゅうのものであると考えられますが、受講した方がその価値を感じられていないのであれば、残念ながら講習提供者が相応のコース展開をできてない…と言わざるを得ないのかもしれません。


同じAHA-BLSなのに中身が違う?!(その1)


AHAの講習は、映像教材を多用して全世界で統一した講習品質が得られるように設計されたもの。とすれば、同じコースならどこで受講しても同じ。受講料が安い方が良い…というのは誰もが思うことでしょう。


しかしそうではないと言わざるを得ないのが実情です。


まず、G2015教材からBLSプロバイダーコースには「病院内=IFP」と「病院外=PHP」、ふたつの映像教材があるのはご存知でしょうか?

国内で開催される同コースは、公募開催であってもほとんどが病院勤務の医療職を対象としたものであり、わざわざ「病院内シナリオ版」などと記載しているケースのほうが少ないといえますし、病院外シナリオ版でコースを開催しているところは全国でも数少ないため、認知度はまだまだ。


どちらのシナリオでも、核となるコンテンツや試験は同じ内容で、得られる修了カード(資格)は同じではありますが、保育園看護師や訪問看護師、救急隊員など、病院外で活動する方々で、病院外シナリオ版が近くで開催されているのであれば、活動領域に応じたシナリオを選択頂くとよいのではないでしょうか。


G2020教材では各シナリオの特徴が弱くなってしまいましたが、2つのバージョンを明確に分けて開催している講習提供者であれば、受講者のフィールドに応じた適切な講習展開がきっと成されることでしょう。

ブレイブハートNAGOYAは、おそらく名古屋地区では唯一、病院外(PHP)版のBLSプロバイダーコースを公募定期開催しています。


同じAHA-BLSなのに中身が違う?!(その2)


G2015 のBLSプロバイダーコースでは、「現実主義」や「現場への転移」といった考え方に基づき、10分間のチーム蘇生を行うセクションが追加されました。


環境が整った講習会場のトレーニングだけでは、現場で起き得る様々な事象に対応しきれない。講習と現実のギャップをいかに埋めて良質な救助を提供できる者を増やすか…「Life is Why」というテーマを掲げたAHAの意思が込められた、G2015のBLSプロバイダーコースの最も特徴あるセクションであるといえます。


このセクションを単なるCCF(蘇生中における胸骨圧迫実施時間の割合)測定コンテンツにしているのでは実にもったいない。

「お作法ではない、現場で動ける救命処置トレーニング」を掲げるブレイブハートNAGOYAでは、このセクションにおけるシミュレーショントレーニングの質にこだわってきました。

・傷病者が重ね着をしており、衣服を簡単に脱がせられない

・傷病者が女性であり、女性用下着を着用している

・傷病者が狭い場所でうつぶせに倒れている

・大声で助けを呼んでも周りに誰もいない(携帯電話も持っていない)

・周りがうるさく、AEDの音声が聞こえづらい

・救助者4名に対し、ポケットマスクは1つのみ

・手伝ってくれる人が現れたが、CPRの手技が稚拙 etc…


これらはトレーニング内で実際につくりだした状況の一例です。

現実にある様々な状況の中、教科書には答えがない判断をいかに行い行動するか、救助者どうしどのように連携するかなどを実体験し、デブリーフィング(振り返り)により改善策などを抽出するこのセクションで得た体験やノウハウは、受講者の記憶に深く刻まれることとなります。


しかし、G2020教材では、コロナ禍におけるオンライン講習推進を受けてか、このセクションがオプション扱いに。BLSプロバイダーコースのG2020教材移行が完了する夏ごろには、10分間のチーム蘇生セクションを行う講習提供者と、省略して手技トレーニングのみ行う講習提供者にはっきり分かれてくるのではないでしょうか。


PEARSプロバイダーコースが、シミュレーショントレーニングの有無で講習のカラーや質が分かれ、シミュレーショントレーニングを重視した展開をする講習提供者が「横浜系」というブランドを冠するようになったのと同様、BLSプロバイダーコースも今後、講習提供者によってそのカラーが大きく異なるようになるでしょう。


資格取得が目的か、対応スキル習得が目的か


ベースとなる内容は同じなるも、その味付けが講習提供者により変化する今後のBLSプロバイダーコースですが、ブレイブハートNAGOYAの同コースは次の特徴を有しています。


(1) マネキンを1人1体専有して実技練習ができる

(2) 定員4名の少人数で、しっかり練習

(3) 受講者とインストラクターの双方向性ある展開

(4) 手技の「なぜ?」を大切にした解説の数々

(5) 受講者の活動領域や背景にあわせたアレンジ

(6) 傷病者対応のためのシステムづくりをサポート

(7) 実務を見越したシミュレーション訓練の実施

(8) ポケットマスクの貸出し無料・購入の必要なし

(9) 資格の有効期限内(2年間)は、無料で復習参加が可能


AHAの規定に基づき、テキストはひとり1冊準備頂きますが、ポケットマスクを使用する場合であっても、消毒済みのマスクを貸し出しますので、受講者自身で約3000円するポケットマスクを購入する必要はありません。


また、ブレイブハートNAGOYAのインストラクターの名で、世界で有効な資格を発行するのならば、資格有効期間内はそのスキルを保証する責務があるという意のもと、2年の資格有効期間内であれば、無料で同じコースを受講することが可能な「復習参加」制度を設定。

ブレイブハートNAGOYAで同コースを修了頂いた方はもちろん、BLS横浜をはじめとした提携機関でコースを修了した方であれば、受講枠の空きさえあれば2年の間に何度でも復習参加が可能です。


私どものBLSプロバイダーコースの受講料は、数字だけ見れば高い方といえるでしょうが、その中身をかんがみ、「高い」「適切」「安い」を判断頂けると幸いです。

これからもブレイブハートNAGOYAは、資格取得のみならず、「現場で動ける!」を目指す皆様のスキルアップをサポートします。


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【BLSプロバイダーコース】 

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