ご注意 この記事は、フリーマガジン『ナゴヤ防災サミット Plus1』の連動記事として掲載したものです。内容は善意で救助を行うバイスタンダー向けのものであり、医療の専門職ではないものの、業務の範ちゅうとして傷病者の対応を行う責任があるレスポンダー(教職員、保育士、警備、介護、スポーツ指導者など)向けのものではありません。
救助を行うかどうかは選択できる!
善意で救命処置を行う方は、まず救助を行うかどうか選択できます。
職務上の責任に基づき急病人やけが人(傷病者といいます)を助けるのではないのですから、「自分にできること」をしていただくだけで結構です。
救命講習は「とにかく助ける!」で話が進みますが、傷病者に近づいて呼びかけたりするまでには本来これだけの判断と分岐があるのです。
『ナゴヤ防災サミット Plus1』の記事でも述べましたが、傷病者に直接触れて何かをするだけが救助ではありません。駅員を呼びに行く、119番通報をする、既に救助を行っている人に「何かお手伝いすることはありますか?」と聞くなど、自分にできる範囲のことをしていただければ結構です。
なお、心停止の約7割は自宅内で起きています。
家族や身近な人が倒れた際には、助けるかどうかの選択は不要でしょうから、安全を確保したうえで救助に取りかかってください。
「反応」を確認する
先ほどの図で「傷病者に接触」まで至ったら、まずは「反応」を確認します。
肩を叩きながら「わかりますか」や「どうしましたか」などと呼びかけますが、傷病者がこれに反応して体を動かす、目を開ける、声を出すなどをして、何か反応を示したら反応あり、何も反応しなければ反応なしと判断します。
反応がなければ「心停止かも?」と、緊急事態の心のスイッチを入れるとともに、すぐに助けを呼びましょう。
難しく考えなくても大丈夫です。
家でお酒を飲んでいたお父さんが、少し目を離した隙にその場でぐったりしていたとしましょう。「お父さん、風邪ひくよ?布団で寝なよ」とあなたが呼びかけたことに対し、手を挙げたり、「うーん…怒るなよ…」と声を上げたりしたら、自分の声に反応できるくらいの正常さはあることはわかります。
もしお父さんが何も反応せずぐったりしたままだったら、「あれ?ヤバいかも?!」というスイッチが入りますよね。
普段とは異なる、おかしな状態の人がいるから、まずは反応できるかで、最悪のケース=心停止のおそれがあるかどうかを判断します。
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