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執筆者の写真ブレイブハートNAGOYA

NBS-05 AEDを使う

ご注意

この記事は、フリーマガジン『ナゴヤ防災サミット Plus1』の連動記事として掲載したものです。内容は善意で救助を行うバイスタンダー向けのものであり、医療の専門職ではないものの、業務の範ちゅうとして傷病者の対応を行う責任があるレスポンダー(教職員、保育士、警備、介護、スポーツ指導者など)向けのものではありません。



 

AEDは「心臓を止める」ためのもの?!


AEDの電気ショックは、止まった心臓を元の動きに戻すというイメージが強いものですが、電気ショックで止まった心臓は動きません。


電気ショックは、心臓がけいれんして血液を送りだせない「心室細動」や、心臓が速く動きすぎて空打ちになってしまった「無脈性心室頻拍」の際に、それらの異常な動きを止めるために行います。


ではどうやって心臓の動きを元に戻すのか? それは胸骨圧迫で心臓の筋肉(心筋)への血流をつくり、酸素を供給し続けることで得られます。AEDの電気ショックと胸骨圧迫がタッグを組んではじめて効果を発揮するのです。


AEDは、心電図を解析し、「心室細動」や「無脈性心室頻拍」に該当する心電図を認めた場合に電気ショックを行うフェーズに進みます。どんな場合でも電気ショックを行うというものではありませんので、AEDの音声ガイダンスに従ってください。


 

AEDの使い方


(1) 電源を入れる

(2) 音声ガイダンスや絵表示に従う まずはこれだけ覚えておけば十分です。


日本で既に販売されたAEDは20機種以上あり、細かな操作の仕方を覚えるのはナンセンス。 ボタンの配置や電極パッドの仕様などは機種によって異なりますので、まずは電源を入れ、AEDの指示に従って操作をします。


電極パッドも、2枚に分かれているものや、一体型のものなどさまざま。

とにかくAEDの音声や絵の表示に従いましょう。



 

AEDの誤解


AEDが判断できるのは、「心室細動」と「心室頻拍」に該当する心電図かどうかだけであり、傷病者の反応や正常な呼吸があるかどうかを判断することはできませんし、脈があるかどうかの判断もできません。傷病者が心停止であるかの判断は、使用者が行うしかないのです。


AEDを使用すべき傷病者は、心停止であることが認められた傷病者のみ。これは、どのAEDの説明書や添付書類にも使用条件として記載されています。

言い換えれば、AEDを使用する状態であれば、胸骨圧迫も行われなければおかしいわけです。


≪旭化成ゾールメディカル ZOLL AED Plusの添付書類から抜粋≫



しばしば、「傷病者の反応はあるが、心停止になるといけないので念のためAEDを装着しよう」という話を聞きますが、これはAEDの使用法としては間違い。法的要件云々だけでなく、傷病者に重大な危害を与えかねない危険な行為なのです。

AEDによっては、添付書類の中にこのような記述がなされています。


≪日本光電 AED-2100の添付書類から抜粋≫



これは特定のAEDのみ言えることではなく、すべてのAEDにいえること。

反応(意識)があり、会話もできている傷病者に電気ショックを行ってしまった事例は、2000年時点ですでに米国内では報告がされていましたし、日本国内でも実際に起きている事例なのです。


AEDは心停止の人に使うもの。

AEDを使う際には胸骨圧迫も行われていなければおかしい。

しっかり覚えておいてください。

 

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